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メタルギア検定

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そして俺は珈琲を飲む(雷電)

朝食のテーブルで、俺は珈琲を飲んでいる。

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「今日は、数学のテストがあるんだ」
息子のリトル・ジョンが白身の切れ端を口に押し込みながら言う。
「今度は及第点を取ってね」
ローズマリーがフライパンを覗き込みながら言う。フライパンの上で、丸い黄身がふたつ、サニーサイドアップになるのを待っている。

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息子は俺にちらりと視線を送る。
(また、お母さんのお小言だ)
共犯者の笑いを含んだまなざしを俺は返してやる。
(ああ)
息子はちょっと肩をすくめ、俺に笑顔を返す。そして再び目玉焼きを口に押し込む作業に戻る。俺も再びマグカップを口元に運ぶ。俺は普通の食事は出来ない。俺の機械の身体は普通の食物を受け付けない。だが飲み物を飲む事は出来る。だから珈琲を飲む事で、家族と一緒に食事をしている気分を味わっている。

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ローズマリーの手料理を食べる事が出来ないのは、不幸なのか幸せなのか、考えてみる事がある。近所のデリバリーの料理の方がお母さんの料理より美味しいと、リトル・ジョンはこっそりと俺に打ち明けた。俺と分かち合う秘密が増える事が、二人の親密度が増していく証のように。

.

「お父さん、今日は遅くなる?」
「いや」
「じゃあ、夜は一緒にローガンのTVを見ようよ」
「ああ」
ローズマリーが叫ぶ。
「早く食べなさい、遅れるわよ」
リトル・ジョンは慌てて立ち上がる。
「行って来ます!」

.

俺はキャンベル大佐の関係する機関に所属している。機関の学校の教師の様な事をしている。俺は戦う事しか出来ないと思っていたが、戦い方を教える事も出来るのだと知った。大佐の役に立つならと、この仕事を引き受けた。ローズマリーの手料理を長年食べてくれた大佐への感謝の意味も込めて。

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あの日、世界は人知れず変わったが、戦争はなくなっていない。世界のどこかで、今も戦争は続いている。オタコンは相変わらず世界中を飛び回っている。俺が必要な時は呼んでくれと言ってあるが、オタコンは俺をそっとしておいてくれるつもりらしい。いつか本当に俺が必要となる時まで。そう遠くない未来の、その日まで。

.

ローズマリーが皿を運んで来る。素敵に焼きあがった目玉焼きが載っている。
「珈琲のお替り、欲しい?」
「ああ」
ローズマリーがマグカップに珈琲を注いでくれる。
「ありがとう」
彼女は黙って微笑み、食卓に着く。

.

そして俺は珈琲を飲む。珈琲は、この世界の様に、熱くほろ苦い。スネークが残してくれた、この世界の様に。そして俺は立ち上がる。俺の人生を生きる為に。俺と、ローズマリーと俺の息子と共に。

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「今日は遅くなる?」
さっきと同じ事を聞かれ、俺は苦笑する。
「いや」
「帰りに買い物、お願いしていい?」
ローズマリーの言葉に対して、拒否という選択肢は用意されていない。
「いいよ」
俺はメモを渡される。品物が列記されている。俺の脳は機械化されていない。俺がこの手の事を覚えるのが苦手だと、ローズマリーは知っている。だからメモに書いて俺に渡すのだ。

.

俺が幸福を感じる瞬間があるとしたら、こういう時だと、そう言ったら、スネークは笑うだろうか。

白い花の咲き乱れる、地面の下で。

.

Rd011

(あの戦いの後、或る朝、ジャックとローズマリーとジョンの風景より)

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二次創作小説&イラスト」カテゴリの記事

コメント

もるがん様

はじめまして、こんにちは!
MGSのジャック&ローズの大ファンなダントリと申します。
(実はHNのとおりDMCのダンテ&トリッシュloveなやつです)

ジャックとローズとジョンの或る朝の風景、読ませていただきました。
いいですね~。
こういう何気ない風景、好きです。
そこにこそある、何か・・・と申しましょうか。

ジャックとジョンの目配せ、目に浮かびます。
ローズのお小言も・・・。
ジャックはジョンに甘いパパ、ローズは厳しいママ(でもちゃんと優しい)になるんじゃないかなぁ~なんて思ってますんで。

でもジャックが取ることができるのが飲み物だけというのが、そうかもしれないと納得しつつちょっと哀しい。
たとえまずくても(笑)ローズの手がかかったものが食べられるたなら・・・、やはりその方が幸せだと思うのですけどね。
まずさを感じられる幸せ?みたいな←そんなのあんのか?

ジャックがキャンベルの関連機関で教官として働いていると言うのも、納得すると共に嬉しいところ。
オタコンの思いもわかるし、嬉しい。
そしていつかジャックは、再び出かけていくのでしょうかね?
ジャックなら、そうかもしれません。

ローズの言葉に拒否の選択肢はない、っていところで、思わず笑ってしましました。
さもありなん、ってところでしょうか?

>俺が幸福を感じる瞬間があるとしたら、こういう時だと、そう言ったら、スネークは笑うだろうか。

いや、笑わないと思うな~、というか、私は笑いませんよ。
たぶん、ローズもそのことをわかっててやってるんでしょうね。(彼女は聡明ですし、なによりジャックのこと愛してますから)

ジャックには、ジャックのやり方で、スネークが残していってくれたものをちゃんと伝えていってほしい。
いや、私は、ジャックの感じたこと、思い・・・、こうして3人で暮らしていく中で、いずれちゃんとジョンに伝わっていくのだと信じてますが。

願わくば、いつまでもジャックとローズとジョンが幸せでありますように・・・。

素敵なお話、ありがとうございました!

コメントありがとうございます☆m(_ _)m

感じ取って欲しいと願ったものを受け取ってくださっているのが、とてもうれしい限りです。

ジャックにはやはり幸せになって欲しいと思い、こんなものを書いてみました。彼の背負った痛みの分、喜びもあっても良いのではないかと。

ダンテも好きです(笑)

私も読ませて頂きました
ほんと、目に浮かびます 三人の様子がconfident
dantriさんの感想とほぼ同じです やっぱり幸せになってほしいですよね
そーですねー スネークは笑うかもしれませんが、心の中では理解しているでしょうね

メタルギアファンのイラスト描きさんを探してここにたどり着きました 横顔の雷電 カッコいいっすねww((≧ω≦)

あと、トロちゃんもみましたょ♪ あれ何て名前のゲームですか?可愛い過ぎる!!vV トロちゃんのホフク前進を生で見たいww!!happy02

お読みいただいてありがとうございます。
やっぱり幸せになって欲しいですよね。 イラストもお気にいっていただけてうれしいです!!

あのトロはPS3の「まいにちいっしょ」です。PS3でダウンロード出来るゲームです。メタルギアやガーコを部屋に飾っておくと、トロがああやって遊び始めます(笑)


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